よい習慣が最強のシステム
「よい習慣は人生のハーモニーを作り上げる」(アメリカ医学の祖、ウィリアム・オスラー)
いきなり、ウィリアム・オスラーの言葉を出したのには理由があります。
「習慣とは繰り返された運動」だとアリストテレス(紀元前384〜322年)もいっているように、「ロータス(蓮)・メソッド」の活用は、まず小さな習慣を変えていくことから始まるからです。
よい習慣なくして、メソッドを最大限に活かすことはできません。
私たちビジネスに携わるものにとって、よい習慣こそが最強のシステムを作り上げます。
コンピュータや横文字の難しいノウハウだけがシステムではありません。
どんなによいノウハウや理論、コンピュータ・システムも、それに携わる人の行動習慣が改善されたとき、よりよい効果を発揮してくるのです。
ミリオンセラー『生きかた上手』(ユーリーグ刊)を書かれた92歳の現役医師、聖路加国際病院理事長・名誉院長の日野原重明先生は、「習慣の大切さ」を強調されています。
あなたのビジネスにとっても大事なことです。
システムというと、コンピュータのシステムなどを想像する方が多いと思いますが、実は、習慣がシステムなのです。
習慣を変えることが、システムの変更につながります。
コンピュータ・システムの問題以前になくてはならないのが「よい習慣作り=システム作り」という発想です。
これには、お金はかかりません。
しかし、習慣の変更である新システム作りには、それにともなう苦痛・忍耐・勇気などを要したトレーニングを必要とします。
たとえビジネスに直接関係のない人でも、自分の価値を人に提供し、歓びを報酬に変えることができます。
どんな業種の方、会社勤めの方、主婦、学生、フリーターの方、すべての人に当てはまる部分ですから、どんな人でも気軽に読んでいただければ幸いです。
「一は万が母」といいます。
本書を通じて、何かひとつでもビジネスのヒント(価値創造=稼ぐ)をあなた自身が発見し実践していただければ、この本の使命の半分は果たしたことになるでしょう。
習慣1 一人の顧客に目を向けよう
よくお店の前に、大売出しの旗が掲げられています。
私はそれを見ると思わず、旗を掲げるなら「小売出し」のほうが小売業らしくてよいのにと思ってしまいます。
なぜなら、小売業はどんなお店でも、一人ひとりのお客さまの買上げが原点で、それに乗じた利用客数で売上が構成されているからです。
つまり何がいいたいかというと、一人のお客さまから買っていただくその積み重ねが小売業(ビジネス)の基本であり、小さな売上の集積だということです。
売上高が大きくなると、いつの間にか小売業が大売業になってしまいます。
顧客の視点はなくなり、机上の大論「大売論」が幅を利かせ、お店の経営がおかしくなってしまいます。小売業の悪しき歴史といえましょう。
しかし、顧客一人ひとりを見つめる視点は、とくに女性が持っている能力です。
たとえば、私のお店のスタッフは、スポーツの世界でいうならば、まさしく三拍子そろった頼もしいプレイヤーたちです。
彼女たちは、朝からパートとして働いています。
野菜をカットしたり、袋に入れたり、商品を並べたり、接客したりして仕事を終えます。
お店での仕事を終えると、主婦としての仕事が始まる人もいます。
自分の家族・食卓をイメージして、食事の献立を立て野菜を自分の目で選び、自分のお金で購入します。家に帰り、料理をします。
その料理を家族に食べさせ、あと片づけをして、その日の料理の評判も気にします。
また、食材も保存します。
こうしたことを、毎日コツコツと繰り返していますから、しぜんと顧客の視点がそなわるわけです。とくに男性は、毎日の経験で実感することが少ないので、女性のこまやかな視点を謙虚に学ぶことが最大のトレーニングになります。
習慣2 スピーディな時代にもゆったり感を持とう
かつて叔父の紹介で、中国の商人の方と食事をする機会がありました。
その方はとてもゆったりしていて、日本の商人、ビジネスマンとは違うなという印象を持ちました。
商売のしかたも、自分の代のみならず、次世代のことも視野に入れながら商いをします。そのゆったり感がとても印象的でした。
中国では運動するとき、「できるだけゆっくりやってください」という教え方があるそうです。
日本の「スピードを上げて! なるべく速く!」とはまったく逆の教え方で、私も苦労したことを覚えています。
ビジネスもスピードや効率化が求められるなか、ゆったりした瞬間が必要だということを、いわゆる東洋の考え方は教えているのではないでしょうか。
「ロータス・メソッド」もゆっくりやってほしいと思います。データをとり続け、少しずつ改善していくことです。毎日のデータの積み重ねがメソッドの特徴ですから。
一気に売上を伸ばすのがウサギ戦略ならば、「ロータス・メソッド」はカメ戦略とでもいいましょうか。
習慣3 すべてを小さく考えよう
「すべて小さく考えよ」とは、世界最大の売上高を誇るアメリカ・ウォルマートの創業者サム・ウォルトンの言葉です。
「わが社も小さく考えることで、これほどのスケールになれた」と氏自身も自伝のなかで述懐しています。
「ロータス・メソッド」も、徹底的に小さく考えるところから始まっていきます。
それも顧客ピッタリサイズ、「ビジネスを顧客一人という小売業の等身大のサイズに戻して実践するやり方=習慣」です。
難しいロジックや理論は何ひとつありません。
「顧客一人の視点=小さな習慣」が原点。
たとえば、「ロータス・メソッド」では、店内にある在庫・ロス・人件費・経費など、すべて小さく考えていきます。
商品在庫の小さな習慣
ビジネスにとって在庫をいくつ持つかということは、非常に重要な問題です。
多すぎて過剰在庫になり売上ロスにつながったり、逆に少なすぎて欠品したりします。
過剰か欠品かで振り子のように揺れているのが、商品在庫の特徴です。
とりわけ、小売業では自店の売上に対して、小さな店ほど在庫が過剰になる悪しき習慣があります。
私のお店も最初はそうでした。
しかし、過剰在庫を改善する小さな習慣があります。
店内にある在庫は、お店(会社)が負担しているのではなく、顧客一人当たりどのくらい在庫を持っていただいているかという視点を大事にするのです。
たとえば、商品在庫が金額にして10万円分持っている店があるとします。
その店の1日の平均来店客数が200人だとすると、
10万円÷200人=500円
一人当たり500円の在庫を持っていただいている(負担してもらっている)ということになります。
また在庫数量が、600個あるとしたなら、
600個÷200人=3個
ということになり、来店される顧客一人当たりに、3個の在庫を持っていただいているということになります。
全額で600円、数量で3個。
これが適正なのかどうかを、感覚的な部分から見直していきます。
金額では一人当たり、その半分の300円でもいいのではないかとか、一人当たり持ってもらう在庫を3分の1個でどうかと考えていくと、不思議と顧客の視点で在庫管理ができるようになります。
顧客一人当たりという小さな習慣によって、商品の鮮度はよくなり、ロスも少なくなります。
ロスについての小さな習慣
お店にとって、ロスもとても重要な問題のひとつです。
このロスについても顧客一人当たりで考える習慣をつけることをおすすめします。
たとえば、ある店の1日平均来店客数が200人、ロスの総額が1万円あったら、
1万円÷200人=50円
顧客一人当たりに50円の損害(ロス)を負担していただいたということになります。
これでは申し訳ないという気持ちになりますよね。
儲けたいというお店や会社側の都合で考えるロス対策でなく、「顧客にロスを負担していただいて申し訳ない、次はロスを出さないようにしよう」という気持ちを持つことで、小さな習慣が身につくのです。
人件費についての小さな習慣
人件費はお店の運営をするうえで大切な指標のひとつです。
この人件費も、ある時間帯はスタッフが多すぎたり、またある時間帯は少なすぎたりするので、お店のオーナーもコントロールが難しいところです。
私のお店もそうでした。
そこで、お店を運営するための人件費も、来店する顧客一人に対していくら負担していただいているかという視点で見直してみました。
すると無駄な人件費は消え、顧客に適切なサービスができる人員が確保できるようになったのです。
目的は、一人ひとりの顧客を満足させられるサービス・作業(人件費)をどのように配分していくかがポイントになります。
お店のオーナーやスタッフの給料も、会社からもらうのではなく、顧客一人ひとりに負担していただいているという感覚を大事にしています。
たとえば、90万円の人件費がかかる店で1日当たり200人の顧客が来店するなら、顧客一人当たりで人件費を4500円負担していただいているということです。
顧客からお預かりしたお金で、お店も生活もすべて賄われているということが、具体的な形で見えてきます。
すべての経費(広告費・販促費・光熱費など)についての小さな習慣
広告費・販促費・光熱費・求人費、その他すべてのお店を運営する経費もまた、顧客に負担させていると考える習慣が、これからのお店の新しい基本となります。
前述したウォルマート創業者、サム・ウォルトンは、「小さく考えよ、大企業病には用心せよ」といいました。
お店の運営に関わる経費のすべてを顧客に負担していただいているという気持ちが、大企業病(組織の官僚化)や、経営者が傲慢にならない、偉ぶらないことの歯止めになるのです。
習慣4 お店の利益を顧客の視点でとらえよう
東洋の思想では、「利益は因縁によって一時、自分が預かっているもの」という考え方があります。
「得た利益も、自分を支えてくれた民衆の恩に報いるべきである」
ここでの民衆とは、顧客の異名です。
私はお店で得た利益を「財の4分法」で考えることをすすめています。
- 家族の生活費
- 税や福祉など社会的支出
- ビジネスのための資金
- 万が一に備える貯蓄
たとえば、来店した顧客200人でお店が100万円の利益を得た場合、
100万円÷200人=5000円
つまり、顧客一人から5000円の利益をいただいたことになります。
いただいたのではなく、お預かりしたと言い換えたほうがいいでしょう。
お預かりしたのですから、「民衆=顧客」にお返ししなければなりません。逆に利益の出ないお店は、顧客一人に利益を与え切れていないと思うべきです。
自分のビジネスを再度見つめ直し、深く反省しなくてはなりません。
習慣5 ものごとを楽観的に考えよう
ビジネスには緊張がつきものですが、だからこそ「楽観主義の習慣」が必要です。
楽観主義とは、簡単にいえば「希望を持つこと」です。何も苦しみがないのが、楽観主義ではありません。
アメリカ心理学会の元会長、マーチン・セリグマンは、楽観主義に学ぶ姿勢を次のように語っています。
「いつ、どこで失敗し、苦しい経験をしても、落胆したままでは何も変わりません。人は『行動』によって必ず変えられます。
そう信じる信念が楽観主義なのです。楽観する習慣は、いったんコツを身につけたら一生忘れません。自転車や水泳のように」。
あなたのお店を変えてみよう!
習慣を変えていくと、顧客に対する見方が変わり、それによってスタッフのお客さまに接する態度も変わり、お店が活性化していきます。
今までのお店のイメージを変えることも「ロータス・メソッド」を始める際に必要になっていきます。
私の仕事も「野菜ビジネス」へと変わり、お店の名前も「ヴェルジェ」(フランス語で「果樹園」の意味)と変化し、八百屋のイメージを脱しました。
そんな店作りのヒントとなる「育児子育てイメージ法」と、大切なスタッフを生み出す「みどりの糸イメージ法」、お店が1日で活性化する「あこがれ人来店イメージ法」を紹介します。
店作りには「育児子育てイメージ法」

あなたのお店を考える際に、育児子育ての考え方を応用します。
このイメージ法は、店作りの基本(フォーマット)となる大事な部分です。
商品開発や企画を立てるときなども、この考え方を応用できるので、ビジネスのフォーマットともいえます。
以下、5つのポイントがあります。それぞれについてあなたがこうなりたいというものをイメージしてみてください。
- 名前(店名)
- 色
- 音
- 服装
- 願い
まずは「名前」です。
あなたが既婚だったら自分の子供や、独身の方でしたらペットでもかまいません。
愛する自分の子供には、その子に合った一番いい名前をつけるでしょう。
でも、あなたのお店の名前は誰が決めたのでしょうか。
「昔から決まっていた」
「親の代から決まっていた」
「会社の社長が決めた」
など、いろいろあると思います。
でも、思い切って、名前を変えてみることも大切なことです。
「名は体を表す」
と言われるように、名前には不思議な力があるのです。
次に「色」です。
目をつぶってください。
あなたのお店(仕事)は何色に見えますか?
「○○色?」
「△△色?」
私は、最初は「灰色」にしか見えませんでした。
今は、「Vグリーン」「Vレッド」です。
Vとは、店名の「ヴェルジェ」からとった、とてもさわやかな色です。
生まれてきた子供は、女の子なら色白かどうか、どの色の服が似合うかなどとても気になるものです。
あなたのお店にも色をつけてあげてください。
「音」はリズムです。
ハウス栽培で野菜を育てる際、モーツァルトを聞かせて育てると生命力豊かで新鮮な野菜が採れるということから、それを実施している農家の方がいると聞きました。
かつて、聖路加国際病院理事長の日野原重明先生から音楽療法の効果をお聞きしたことがあります。先生は、いい音楽には人の生命力や自然治癒力を高める力があるということから、この療法を推奨しています。日本音楽療法学会の理事長もされており、従来の医療に音楽療法を取り入れています。
モーツァルトのような快い音楽を聴くことで、心が癒され、人間の持つ自然治癒力が高まっていくということです。
私のお店でも、ピアノ曲が流れています。音楽(リズムの力)は効果があります。
お客さまも気持ちよく商品が選べて買い物ができ、スタッフも集中して仕事ができ作業もはかどります。
次に「服装」です
もう一度目をつぶってみてください。
お店で働いている自分の姿、服装はどうですか?
採点の基準は?
カッコいいですか?
今は、カジュアルでセンスのいい洋服が、とても安く手に入ります。
あなたのお店に合った一番似合うカッコいい服装(ただし、お金をかけないで)に挑戦してみてください。
それだけでも今までと違う世界が広がります。
最後に「願い」です。
親には「健康に育ってもらいたい」という子供に対する強い願望があります。
お店(会社)も同じです。
「このようなお店にしたい。このような会社にしたい」という強い願いが、経営理念(哲学)にまで高まってくるのです。
あなたの無形な思い・願いが、必ず形のあるものに現れてきます。
ここまで、「育児子育てイメージ法」の5つのポイントを述べました。イメージひとつひとつはとても簡単ですが、この5つをバランスよく変えていくことが重要です。
育児子育てイメージ法
- 名前(店名)
- 色
- 音
- 服装
- 願い
「育児子育てイメージ法」は、お店の企画などにも応用できる方法ですので、成果を楽しみながら使ってみてください。
【ロータス・メソッド】「育児子育てイメージ法」を店作りに活用しよう。
求人採用には「みどりの糸イメージ法」

「みどりの糸」って聞いたことありますか?
これは、私が「赤い糸」をもじってつけました。
以前、私のお店の新店オープンにともなう求人を出したところ、30人の定員のところに309人の方が応募されました(それも1日で)。
また、池袋・サンシャインビルでの会社説明会では、新卒の方や中途採用の方51名もが応募してくれました(当日113社が説明会を開いたのですが、野菜ビジネスが一番人気がありました)。そこで5名の方が新採用になりました。
私のお店では、求人を募集すると、つねに定員の10倍以上の応募があります。
不思議なことですが、最初からそうではありませんでした。
たくさんの方が応募に来るようになった転機がありました。
私のお店で働くスタッフのなかで幸せそうなカップルが数組生まれたということで、私は求人は運命的な出会いの場と考えるようにしたのです。
たかが求人ではなくて運命的な赤い糸で結ばれている人が来ると考えたら、緊張感が生まれます。
少しでも配慮したくなりますよね。
仕事場をきれいにするとか、笑顔で迎えるとか……。
万が一、不採用の場合でも、丁寧に応対し、相手をなるべく傷つけないように努めます。
もちろん、求人応募の方が全員、結婚するわけではありませんが。
カップルが生まれてしまうほど職場はおもしろいところで、私は「みどりの糸」で結ばれている人が来るというようになりました。
今ではビジネスパートナーとして、なくてはならない人たちが必ずやって来ると確信するようになりました。
「みどりの糸」に結ばれた人たちで運営するお店はとても楽しいものです。
【ロータス・メソッド】「みどりの糸」を大切にしよう。
1日でお店の活力を生む「あこがれ人来店イメージ法」

お店を開いていて、もし今日の午後、あなたが心から尊敬する方がお店に来るとしたら、どういう行動をとるでしょうか?
- 店内を掃除する
- 品質管理をする
- 鮮度管理を徹底する
- POPの点検をする
- 価格は適正かチェックする
- いい接客を目指す
- 深呼吸する
つまり、具体的にあこがれる人が来店することを想定してみればわかりやすいのです。
もとより、大切ではない顧客などいないのですが、それでもあえて、具体的な一人のお客さまを想定してみると、あなたの意識がぐっと変わります。
具体的に一人の人を決め、自分のできることに挑戦してみると、お店は変わり続けます。
そして1日に500人の顧客が来るお店なら、その500人を大切にすることです。
かつて、私がお店の店長時代、具体的な一人のお客さまがいました。たまたま同じ名前だったこともあり、毎朝その人が来店する際に、気持ちよく挨拶をしました。
その方は、「あんたは、若いんだからがんばってや」といつも激励してくれました。
そして、「私には、間がない(この先の命が短い)から、あんたはその分がんばってや」と励まし続けてくれたのです。
今でも、その人は私の心のなかにいます。
【ロータス・メソッド】あなたの「あこがれ人」をイメージしよう。
心のバランスの中心は顧客の声
ビジネス書のノウハウ本は、テクニック中心に書かれたものが多く、ともすれば合理的な手法や利益一辺倒に陥りがちです。
それはそれでいいのですが、心のおきどころがなくなれば、つい利益に走ってしまい顧客へ目が向かなくなってしまいます。
「ロータス・メソッド」3つのバランス
マインド(考え方)
- 少しずつの改善(習慣)でお店を変える
テクニカル(やり方)
- 売れる商品を数値でつかむ
- 正しい価格帯を設定する
- 数値に基づいたレイアウトを考える
スピリット(生き方)
- 顧客一人ひとりの満足度を大切に
- 自分に誇りを持つ
図の内容をテキストで読む
- タイトル:「ロータス・メソッド」3つのバランス
- 蓮の花の上に3つの円が重なっている(左上=マインド、右上=テクニカル、下=スピリット)
- マインド(考え方)
- 少しずつの改善(習慣)でお店を変える
- テクニカル(やり方)
- 売れる商品を数値でつかむ
- 正しい価格帯を設定する
- 数値に基づいたレイアウトを考える
- スピリット(生き方)
- 顧客一人ひとりの満足度を大切に
- 自分に誇りを持つ
- 3つの円が重なる中心:顧客の声
また、経営哲学や理念ばかりの精神論だけをとなえていてもビジネスは成り立ちません。ビジネスは慈善事業ではありません。やはり、利益を出してこそ顧客にも貢献しているといえるのです。
心と利益のバランスをとるのは、非常に難しい。
でも、このバランスをうまくとっているのが、「ロータス・メソッド」です。
「ロータス・メソッド」では、図のように「マインド」「スピリット」「テクニカル」という3つの比重が同じで、どれひとつ欠けても成功はあり得ません。
「テクニカル」だけですと、一時的に利益は上がるかもしれませんが、顧客に目が向いていませんから支持率は上がりません。
「スピリット」だけですと、気持ちが空回りして利益は上がらず、眠れぬ夜を過ごすことになるかもしれません。
「マインド」だけですと、実行がともなわず投げやりになってしまうでしょう。
そして、3つのバランスがとれた中心点、それが顧客の声になるのです。
つまり、「ロータス・メソッド」の最大の武器は、あつかう人の「人間力」です。
「行動」も必要でしょう。
「実践」も必要でしょう。
「東洋的な考え方」も必要でしょう。
この章で述べたよい習慣は「マインド」に当たります。そして、次の第3、4章が「テクニカル」部分だと考えてください。
「スピリット」に関しては、この本を手にとられていることで、あなたなりの思いがあると思いますのでいうまでもないでしょう(第5章で私の「スピリット」を述べています)。
さあ、次の章から「ロータス・メソッド」の数値の部分を説明していきます。第3、4章は、63ページの図右上の「テクニカル」部分に頭を切り換えて読みすすめてください。
